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== 支える人である前に、喪失を経験した当事者であること――流産・死産などと男性の悲嘆 == 妊娠・出産に伴う子供の喪失では、男性も子供を失った当事者である。しかし、女性パートナーを支える役割が強調されると、男性自身の悲嘆や支援の必要性が見えにくくなる。ここで問うのは、男性が「支える側」に位置づけられることによって、「支えられる側」として認められにくくなる可能性である。 2020年のシステマティックレビューは、流産、死産、胎児の重篤な異常に伴う妊娠中絶、新生児死亡などを経験した男性に関する46論文を検討した。支える役割を優先して自分の悲嘆を抑える経験、強くあろうとする圧力、医療者からパートナーの付き添いとして扱われる経験などが報告された。一方、支える役割に意味を見いだした男性や、医療者から適切な配慮を受けた男性もいた。<sup>[[#出典44|[44]]]</sup> {| class="wikitable" ! 検討する場面 !! 男性の経験が見えにくくなる仕組み !! 記事上の確認点 |- | 医療機関での説明・声かけ || 女性への説明だけで完結し、男性自身が何を失い、何を知りたいかが確認されない || 妊娠した本人への医療上の説明と、家族への悲嘆支援を分ける |- | 家庭内での役割 || 相手を支えるため、自分の悲しみを後回しにする || 支えること自体を否定せず、双方が支援を受けられるかを見る |- | 周囲からの承認 || 男性に強さや平静さが期待され、悲嘆が当事者のものとして扱われにくい || 男性全員が同じ感情表現・支援方法を望むと決めつけない |- | 支援の評価 || 支援者として役立ったかだけで評価し、男性自身の回復を問わない || 男性本人への説明、意思確認、継続的な連絡などを検討する |} これは、日本の医療機関の何割が男性を排除しているという調査ではない。収録研究は高所得国に限られ、女性パートナーを持つ異性愛男性を主な対象とし、質的研究も多い。研究で報告された経験と、日本での現在の普及率は区別する。また、女性パートナーを主要な支えとした男性も報告されており、「女性は男性の苦しみを理解しようとしない」という一括した説明は、この研究からは導けない。<sup>[[#出典44|[44]]]</sup> 日本のこども家庭庁も、流産・死産等を経験した人への相談先を案内し、働く女性については産後の就業制限や母性健康管理を説明している。妊娠した人の身体的回復に必要な保護と、子供を失った男性への悲嘆支援は、目的が異なる。前者の存在だけを男性排除とするよりも、後者にも説明・相談・休息の機会が届いているかを調べる方が、問題を具体化できる。<sup>[[#出典45|[45]]]</sup>
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