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== ジェンダー研究団体の役員構成――公表人数からみる意思決定の偏り == ジェンダーを論じる学会については、女性の少ない他分野に男女の代表性を求めるのと同様に、その学会自身の意思決定にも多様な当事者が参加できているか、という問題を立てることができる。日本学術会議の「学会名鑑」には、団体が自ら更新する役員数の男女別情報が掲載されている。<sup>[[#出典56|[56]]]</sup><sup>[[#出典57|[57]]]</sup><sup>[[#出典58|[58]]]</sup><sup>[[#出典59|[59]]]</sup><sup>[[#出典60|[60]]]</sup><sup>[[#出典61|[61]]]</sup><sup>[[#出典62|[62]]]</sup> {| class="wikitable" ! 団体 !! 役員総数 !! 男性 !! 女性 !! その他 !! 女性比率 |- | 日本ジェンダー学会 || 18 || 6 || 12 || 0 || 66.7% |- | ジェンダー史学会 || 30 || 6 || 24 || 0 || 80.0% |- | ジェンダー法学会 || 34 || 8 || 26 || 0 || 76.5% |- | 日本女性学会 || 14 || 2 || 11 || 1 || 78.6% |- | 国際ジェンダー学会 || 14 || 未掲載 || 未掲載 || 0 || 算出できない |- | 日本スポーツとジェンダー学会 || 23 || 未掲載 || 未掲載 || 未掲載 || 算出できない |} 出典は順に<sup>[[#出典56|[56]]]</sup><sup>[[#出典58|[58]]]</sup><sup>[[#出典59|[59]]]</sup><sup>[[#出典60|[60]]]</sup><sup>[[#出典57|[57]]]</sup><sup>[[#出典61|[61]]]</sup>。2026年9月18日に閲覧した掲載値であり、各ページの人数欄で集計基準年を確認できないため、'''2026年度の現任役員数とは断定しない'''。比率は女性数を役員総数で割り、小数第1位に丸めた独自計算。「その他」も分母に含む。未掲載を0人とは扱っていない。また、掲載項目は「役員」であり、すべてを「理事」と言い換えることはできない。 男女別内訳を確認できた4学会では、いずれも女性が役員の3分の2以上を占め、男性は少数である。ただし、この6団体はジェンダー・女性学に関わる団体を取り上げた事例比較であり、全学界の代表標本ではない。また、これらの掲載ページには会員全体の男女別内訳がないため、男性会員の割合に比べて男性役員が少ないか、立候補・選出過程に性別制限があるかまでは、この表から判断できない。 「議論の場からの排除」という観点で問うべきなのは、人数だけでなく、少数側が議題を提案できるか、役員や査読者になれるか、男性の被害・困難を研究課題として扱えるか、という実際の権限である。人数の偏りはその検討の出発点となるが、男性を一律に参加禁止にしている証拠ではない。日本ジェンダー学会の設立趣旨は男性学研究者の参加と男女共同の研究を明記しており、日本女性学会にも男性役員が掲載されている。<sup>[[#出典56|[56]]]</sup><sup>[[#出典60|[60]]]</sup> 選考規則について、ジェンダー法学会の公表規程は、選挙で理事20人を選び、さらに推薦理事10人程度を選ぶ構成としている。推薦時には専門分野・年齢・性別等のバランスを考慮すると定め、性別の均衡に配慮する条文自体は存在する。確認した規程には女性限定の役員資格はない。したがって、上の女性比率を「男性は理事になれない」という意味で紹介するのは不正確である。<sup>[[#出典63|[63]]]</sup> 論点としては、男女の人数の偏りを問題にする組織に対し、'''自らの運営についても同じ基準で構成・選考方法・議題設定の機会を公開することを求められるか'''、という対称性の検証が挙げられる。他分野への要求との不一致を断定するには、各学会が実際に表明した数値目標や役員選考規則との照合がさらに必要である。
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