DV相談プラス
DV相談プラス(DV相談+)は、配偶者やパートナーからの暴力について、電話・チャットなどで相談を受け付ける窓口である。内閣府男女共同参画局は、多様な相談ニーズに対応する事業として案内している。公式サイトには一般社団法人社会的包摂サポートセンターへのリンクが掲載され、同法人のサイトでも相談先として紹介されている。[1][2][3]
2026年10月、男性として相談した利用者から、子どもの連れ去りなどの被害を訴えても相談を打ち切られたり、返答を受けられなかったりしたとする投稿がX上で共有された。女性への応答例との比較から、男性のDV被害相談が軽く扱われているのではないかという批判が生じた。背景には、同意のない子の連れ去りが個別の事情によってDVに該当し得るとの国会答弁を受け、DV相談窓口の利用に期待する動きがあった。[4][5][6][7]
公式サイトは、配偶者・パートナーから受けている暴力について専門の相談員が一緒に考えると説明し、「これってDVかな?」という段階の相談も受け付けると案内している。男性の相談にも対応すると明記し、毎週日曜日の15~21時には専用回線で受け付けるとしている。電話は24時間、チャット相談は12~22時、プラス相談箱は24時間受付とされている。[2]
この案内は、男性が相談対象であることと、DVに当たるか判断できない人も相談できることを示している。また、日曜日の記載は専用回線についての案内であり、男性が他の曜日には一切相談できないと説明したものではない。電話の専用回線とチャット相談の受付条件を混同しないことも必要である。[2]
2026年10月25日、X利用者「たつまき親分」は、男性の相談が打ち切られたとする画像、自身の相談に約1時間返答がなかったとする画像、女性への応答例とする画像を並べ、対応が男女で異なると批判した。[4]
最初の画像では、相談者が、配偶者に同意なく子どもを連れて行かれ、子どもの居場所などの情報を共有されていないと訴えている。心身の不調にも言及し、10月23日の国会答弁を踏まえてDVに当たるのかを尋ねている。その後に窓口側の相談終了の返答が表示され、掲載部分には、訴えへの具体的な回答や別の支援先の案内は見当たらない。画面上の日時は10月24日である。[4]
投稿者自身のものとされる画像には、10月25日20時15分以降の相談と返答を求める書き込みが並び、画面上の21時15分の時点で窓口側の返信が表示されていない。投稿者は翌26日の追記で、さらに約1時間後には相談が終了していたと述べ、日曜日の男性相談対応時間内に相談したと説明した。[4][5]
一方、女性の相談への対応例として掲載された画像では、夫の言動をモラハラと評価し、育児の負担に共感する趣旨の返答が表示されている。ただし、この画像の日付は2025年4月19日であり、男性側の画像とは相談日時も内容も異なる。同時刻・同条件での比較実験として提示された資料ではない。[4]
この批判の核心は、男性用の窓口が存在するかどうかだけではない。被害を訴えて相談につながった男性が、事情を聴かれ、苦痛を受け止められ、必要な支援の説明を受けられるのかという点にある。公式には男性にも、DVかどうか迷っている人にも相談を呼びかけながら、実際には理由の分かる説明を受けられず終了するのであれば、相談できるという案内と支援の実態との間に隔たりが生じる。[2][4][5]
DVと法的に認定されるかどうかと、被害を訴える人の相談を受け止めることは、区別すべき問題である。 個別の事実関係を確かめる必要があるからこそ、まず事情を聴くことが必要になる。「男性だから被害者ではない」「子どもの連れ去りは相談に値しない」といった扱いがあるなら、男性も対象に含めた相談事業の趣旨と整合しない。これは、公式案内と投稿で示された対応を照らし合わせた際の論点であり、当該窓口が実際にそのような方針を定めていると確認されたという意味ではない。
衆議院の公式中継案内によると、2026年10月23日の内閣委員会では、市村浩一郎議員(日本維新の会)が10時28分から約40分間質疑を行った。[8]
「ちゃんと共同親権オンライン」の報道と公開された質疑の文字起こしによれば、市村議員は、一方の配偶者の同意を得ずに子どもを連れ去る行為が暴力に当たるかを質問した。内閣府男女共同参画局長の澤井景子は、個別具体の事案によるとしたうえで、その行為が心身に有害な影響を及ぼしたと認められる場合には、DVに該当する可能性がある旨を答えた。[6][9]
同じ文字起こしでは、法務省側は、特段の理由なく他方の親に無断で子どもを転居させる行為について、内閣府の判断によりDV防止法上のDVに該当する場合があるということであれば、そのことに異論はないという趣旨で答えている。[9]
したがって、この答弁を、あらゆる子連れ別居を一律にDVと認定した、あるいは女性による夫へのDVだけを対象として認定したと要約するのは正確ではない。確認した報道・文字起こしは、当事者の性別を限定せず、個別の事情と心身への影響を条件としている。本記事では答弁内容をこれらの公開資料に基づいて紹介しており、公式会議録本文との照合は未了である。[6][9]
10月23日、X利用者「nasu」は、子の連れ去りがDVに該当し得るとの答弁を紹介する投稿に続けて、DV相談プラスを活用できるとの期待を示した。上記の相談画像にも、国会答弁を踏まえて自身の被害がDVに当たるかを相談する記述がある。国会答弁への期待と、窓口で相談が受け止められなかったという訴えは、この点でつながっている。[7][10][4]
ただし、男性が相談対象であることは公式案内にも明記されており、この答弁によって初めて男性の相談が認められたと確認されたわけではない。問題は、男性の相談を認める案内が、個々の相談への対応に十分反映されているかである。[2]
公開投稿と画像から確認できるのは、相談者側が上記の対応を訴え、掲載画面に終了の返答や無応答の状態が表示されていることである。相談の全履歴、終了に至った内部の判断、当時の混雑・通信状況、相談員の認識までは確認できない。このため、個々の投稿だけを根拠に、事業全体で意図的な男性差別が行われていると確定することはできない。
しかし、その限界は、男性の被害申告を軽く扱ってよい理由にはならない。公平な相談対応を検証するには、相談終了の基準、終了理由の説明、待機中の案内、他機関への紹介、性別による対応の差の有無を確かめる必要がある。「男性も相談できます」と掲げるだけでなく、相談してきた男性の苦痛に具体的に応答できているかが問われている。
なお、Xのトレンドページには自動生成された要約が掲載されているが、それ自体を個々の出来事の事実認定の根拠とはせず、本記事では公式案内と個別投稿を参照した。[11]
以下、閲覧日はすべて2026年10月26日。
- 内閣府男女共同参画局、DV相談について。
- DV相談プラス 公式サイト。
- 一般社団法人社会的包摂サポートセンター 公式サイト。
- たつまき親分、男性の相談対応と女性への応答例を比較した投稿、2026年10月25日。本文および添付画像3点。
- たつまき親分、相談終了についての追記、2026年10月26日。
- 宗像充、政府答弁「同意のない子の連れ去りは暴力に該当しうる」、『ちゃんと共同親権オンライン』。
- nasu、DV相談プラスの活用に言及した投稿、2026年10月23日。
- 衆議院インターネット審議中継、2026年10月23日 内閣委員会。開催日・質疑者・時刻の確認に使用。
- 七緒、市村浩一郎議員(維新)質疑 2026年10月23日衆議院内閣委員会、note、2026年10月24日。第三者による文字起こし。
- nasu、子の連れ去りに関する国会答弁を紹介した投稿、2026年10月23日。
- X、DV相談プラスで男性対応の不備が問題化、男女差別批判広がる。自動生成要約であり、内容が更新される旨の表示がある。