カネカ育休復帰後転勤問題

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カネカ育休復帰後転勤問題は、2019年、カネカの男性社員が育児休業からの復帰直後に転勤を命じられ、退職したと家族がSNSで訴えたことを発端とする問題である。家族側は育児への配慮不足やパタニティ・ハラスメント(パタハラ)を疑問視し、会社側は育休を理由とする見せしめや退職の強制を否定した。[1][2]

家族側が説明した経緯[編集 | ソースを編集]

2019年6月3日のハフポスト日本版の取材に、元社員の妻は、夫が同年3~4月に第2子の誕生に伴って4週間の育児休業を取得したと説明した。妻によれば、復帰翌日の4月22日に、5月16日付で関西へ転勤するよう告げられたという。[1]

当時は妻自身の復職を5月に控え、子供2人が新しい保育園に慣れるための保育期間中だった。夫婦は転勤そのものを一切拒んだのではなく、着任を1~2か月遅らせることを求めたが、受け入れられなかったと述べた。夫は5月末に退職し、妻は取材で、制度として育休があっても、利用する社員への配慮がなければ両立が困難になると訴えた。[1]

カネカの公式見解[編集 | ソースを編集]

カネカは2019年6月6日に公式見解を公表した。同社は、6月2日に弁護士を含む調査委員会を設置し、6月5日には社内・社外監査役が報告を受けて再調査した上で、対応に問題はなかったとの判断を示した。これは会社による調査・評価であり、裁判所の判断ではない。[2]

会社の説明では、異動の必要性は育休前に判断していたが、本人への内示前に育休へ入ったため、復帰直後の内示となった。内示日は4月23日、発令日は5月16日で、社内ルールの最低1週間より長い3週間を設けたとしている。内示日は家族側の説明した4月22日とは一致していない。[1][2]

また会社は、着任延期の希望を受け入れなかったことを認める一方、着任後に出張を認めるなど柔軟な対応を上司が考えていたと説明した。5月7日に本人から5月31日付の退職願が出され、会社が退職や退職日を強制した事実はないとした。[2]

男性の育児と転勤の争点[編集 | ソースを編集]

この問題では、父親が育児を担うために休業する権利と、復帰後の働き方を実際に両立できるかどうかが論点になった。家族側は、単身赴任なら残る側の育児負担が増え、家族で転居すれば配偶者の仕事を継続しにくくなると訴えた。会社側は、育児や介護の事情がある社員は多数おり、育休取得者だけを特別扱いできないという考えを示した。[1][2]

育児・介護休業法についての茨城労働局の解説は、休業の申出・取得を理由とする解雇その他の不利益な取扱いを禁止し、その例に不利益な配置変更を挙げている。また同法第26条の転勤への配慮として、育児・介護の状況の把握、本人の意向の考慮、代替手段の確認などを説明している。[3]

ハフポストの取材に、東京都労働局の担当者は、一般論として双方の説明を聞いて判断すると答えた。同記事も、個別事案の違法性の最終判断は労働審判や裁判で争われると説明している。育休直後に転勤が示されたという時系列と、育休を理由とする違法な不利益取扱いが認定されたということは、区別しなければならない。[1]

出典[編集 | ソースを編集]

  1. : 泉谷由梨子、「夫が育休明けに転勤命令⇒退職」 告発ツイートでカネカに批判殺到 | ハフポスト NEWS(2019年6月3日公開、6月4日更新、閲覧日2026年10月1日)。
  2. : 株式会社カネカ、当社元社員ご家族によるSNSへの書き込みについて | 株式会社カネカ(2019年6月6日、閲覧日2026年10月1日)。
  3. : 茨城労働局、育児・介護休業法について|茨城労働局(「不利益取扱いの禁止」「転勤についての配慮」、閲覧日2026年10月1日)。