日本における男性の自殺

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日本における男性の自殺は、警察庁の自殺統計で、男性の自殺者数と人口当たりの自殺死亡率が女性より高い状態が長期にわたり続いている問題である。2025年の自殺者19,188人のうち、男性は13,176人、女性は6,012人だった。男性は総数の約68.7%を占め、人数では女性の約2.19倍となっている。[1]

男女別の推移[編集 | ソースを編集]

厚生労働省・警察庁の年次資料に掲載された1978年から2025年までの各年の数値では、男性の自殺者数は一貫して女性を上回っている。総数が最も多かった2003年には、男性24,963人、女性9,464人だった。2025年は前年より男性625人、女性507人減少したものの、男女差は残っている。[1]

人数と人口当たりの死亡率は異なる指標である。2025年の人口10万人当たりの自殺死亡率は男性22.0、女性9.5であり、死亡率の比は約2.32倍となる。[1]

男女別自殺者数と自殺死亡率
年 男性の人数 女性の人数 男性の死亡率 女性の死亡率
2003年 24,963人 9,464人 40.0 14.5
2024年 13,801人 6,519人 22.9 10.3
2025年 13,176人 6,012人 22.0 9.5

死亡率は各性の人口10万人当たり。出典は厚生労働省・警察庁の年次資料。[1]

年齢による違い[編集 | ソースを編集]

男性の人数が多いという総数の傾向は、すべての年齢層に当てはまるわけではない。2025年の19歳以下では男性401人、女性429人と女性が上回った。一方、20歳代以上の各年齢区分では男性が多く、男性の最多区分は50歳代の2,702人だった。小中高校生に限ると男性258人、女性280人で、計538人は1980年以降で最多となった。男性の問題を検討する場合にも、若年女性を含む別の高リスク層の状況とは区別して統計を読む必要がある。[1]

原因・動機の集計[編集 | ソースを編集]

2025年の原因・動機別集計では、男性について健康問題6,722件、経済・生活問題4,713件、家庭問題2,631件、勤務問題1,987件が計上された。女性ではそれぞれ4,633件、674件、1,570件、403件だった。[1]

この集計は、遺書などの資料や家族等の証言から把握された原因・動機を、1人につき最大4つ計上するものである。複数の項目が重なり得るため、件数を足して人数としたり、ある項目だけを自殺の唯一の原因とみなしたりすることはできない。[1]

援助を求める行動と男性役割[編集 | ソースを編集]

永井智による2020年の援助要請研究のレビューは、男性の方が援助を求めにくいという研究上の傾向を紹介している。ただし、男女差の大きさは相談相手によって異なり、専門家への援助要請での差は小さく、教師を相手とする場合には有意な差が確認されない分析もある。[2]

同レビューは、弱さを表してはならないという伝統的な男性役割が援助要請を抑える可能性を紹介する一方、心理的苦痛の経験や周囲からの支援などを考慮すると性別の効果が消える研究も挙げている。したがって、男性の自殺死亡率の高さを「男性は相談しない」という単一の説明に還元することは、研究の留保を欠く。[2]

相談先[編集 | ソースを編集]

厚生労働省の「まもろうよ こころ」は、電話相談とSNS相談の窓口を紹介している。掲載先には、年齢や性別を問わず利用できる窓口がある一方、利用対象が限定された窓口もあるため、それぞれの対象・受付時間を確認する必要がある。[3]

出典[編集 | ソースを編集]

  1. : 厚生労働省自殺対策推進室・警察庁生活安全局生活安全企画課、令和7年中における自殺の状況(2026年3月27日、概況・年齢別集計・原因動機別集計・年次推移、閲覧日2026年10月1日)。
  2. : 永井智、臨床心理学領域の援助要請研究における現状と課題、心理学評論63巻4号、2020年、477–496頁、特に480頁(全文PDF、閲覧日2026年10月1日)。
  3. : 厚生労働省、まもろうよ こころ|厚生労働省(閲覧日2026年10月1日)。