2025年の職場熱中症死亡災害の男女差
2025年の職場熱中症死亡災害の男女差は、厚生労働省が集計した2025年の職場の熱中症による死亡者19人が、全員男性だったという死亡災害の偏りである。同年の熱中症による死傷者は1,803人で、死亡者は男性19人、女性0人だった。[1]
集計の範囲[編集 | ソースを編集]
この数字は「労働者死傷病報告」に基づき、2025年1月1日から12月31日までに発生した、死亡または休業4日以上の職場の熱中症を集計した確定値である。家庭、学校、余暇活動などでの熱中症を含む全国の総患者数ではなく、休業4日未満の職場の事例も集計の対象外である。[1]
死傷者数の推移[編集 | ソースを編集]
2025年の死傷者1,803人は前年の1,257人から約43%増えた一方、死亡者は31人から19人へ約39%減少した。死傷者数の増加と死亡者数の減少が同時に起きており、一方の数字だけでは被害全体の推移を説明できない。[1]
| 年 | 死傷者数(死亡を含む) | うち死亡者数 |
|---|---|---|
| 2021年 | 561人 | 20人 |
| 2022年 | 827人 | 30人 |
| 2023年 | 1,106人 | 31人 |
| 2024年 | 1,257人 | 31人 |
| 2025年 | 1,803人 | 19人 |
出典:厚生労働省の確定値。[1]
死亡災害の内訳[編集 | ソースを編集]
2025年の死亡災害19件のうち、屋外で発生したものは15件、屋内は4件だった。業種別では建設業5人、警備業3人、製造業・商業・農業各2人、運送業と清掃・と畜業各1人、その他3人となっている。年齢別では全員が40歳以上で、50歳以上が16人を占めた。[1]
厚生労働省の事例分析では、熱中症のおそれのある労働者を把握する報告体制の整備が確認されなかった事例が2件、重篤化防止の手順の作成・周知が確認されなかった事例が3件あった。また、熱中症予防の労働衛生教育の実施が確認されなかった事例は9件だった。これらは確認状況に基づく分類であり、各項目を互いに重ならない死亡原因として足し合わせるものではない。[1]
男女差を読む際の留意点[編集 | ソースを編集]
死亡者がすべて男性だったことは、この年の集計範囲で死亡被害が男性に集中したことを示す。一方、この資料の死亡者数だけでは、男女それぞれが高温作業に従事した人数や時間を分母にした死亡リスクは求められない。また、女性の死亡者が0人であったことは、女性には熱中症の危険がないことを意味しない。集計対象と職種・作業環境を区別した検討が必要となる。[1]
2025年の対策強化[編集 | ソースを編集]
2025年6月1日に改正労働安全衛生規則が施行され、対象となる高温作業について、熱中症の重篤化を防ぐ体制整備、手順作成、関係者への周知が事業者に義務付けられた。対象は、WBGT値28度以上または気温31度以上の環境で、連続1時間以上または1日4時間を超えて行うことが見込まれる作業である。[2]
厚生労働省の確定値資料は、記録的な高温を死傷者増加の背景に挙げる一方、改正規則による対策の推進が死亡者減少の一因となった可能性を示している。ただし、単年の前後比較だけで制度の効果を確定したものではない。[1]
出典[編集 | ソースを編集]
- : 厚生労働省、2025 年(令和7年)職場における熱中症による死傷災害の発生状況(確定値)(特に1–3頁、10–11頁、閲覧日2026年10月1日)。
- : 熊本労働局、熱中症対策が義務化されます(令和7年6月1日施行)(閲覧日2026年10月1日)。